第1話 後輩

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悟「……で、君は……」 悟は気になっていた柚子のスカートを覗こうとした少年の方を見ながら話すと、少年は、 「……」 黙って、柚子と女の子のハグをジッと見つめていた。 稔「ほら、先輩が呼んでるぞ!」 稔はその少年の頭を叩き、自分が呼ばれていると言う事を気付かせた。 悟(フォォォ! 先輩って呼ばれちゃったぁぁぁ!!) 何気なく言われた稔の先輩発言に心の準備をしていなかった悟は、大いに喜んだ。 悟は、後輩に背を向け思いっきりにやけ、思いっきりガッツポーズをし、周りの先輩、後輩、同級生に思いっきり引かれた。 悟が後輩を得た代わりに、沢山のものを失った瞬間だった。 「あ、ごめん。ボーッとしてて……」 稔「嘘つくなよ。お前のその言い訳は何百回と聞いたよ」 「う……」 男の表情からバレた……オーラが出るに出まくっていた。 稔「謝るならまず、先輩にだろ」 「あ、そうだ。先輩すいま……」 悟(3回目ぇぇぇ!!) 悟の喜んでいる姿に、後輩達は若干引いた。 「あ、あのー……」 悟「あ、ごめん……気に……しないで……」 稔「ははは……しませんよ……」 後輩の苦笑いを見た悟は、五秒前の自分を恨みに恨みまくった。
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