第1話 後輩

9/14
前へ
/34ページ
次へ
駄目かもと言うのは人間的にもそうだが、高菜や眞樹と同じような臭いがするという事だ。 悟「で、この子は……?」 悟が最後の女の子の方を見ると、柚子がまだ抱き付いてクシャクシャにしていた。 女の子は、苦笑いをしているように見えた。 悟「おい、ゆ……」 高菜「柚子! 良い加減止めてよ!」 高菜が、悟の言葉を遮るように柚子に言い放った。 柚子「えー……」 高菜「もう、良いから!」 高菜が柚子と女の子を無理矢理引き裂くように、離した。 力強く高菜が離したため、女の子は「キャッ」と思わず小さな声が出た。 無理矢理だが高菜が大人になったのだろうと、悟は少し嬉しくなった。 高菜「次は私の番だよ! 覚悟してね!」 と、言い高菜は女の子に抱き付いた。 悟「見直した俺が馬鹿だったよ!」 高菜は全く成長しておらず、裏切られた気分になり高菜の頭を叩いた。 宏介「か、覚悟!? 一体どんな事を……ハァ……ハァ……」 宏介が後輩じゃなかったら同じように叩いていた、と思う悟だった。 悟「高菜! 一旦離れろ! 今、自己紹介してるんだから!」 悟は高菜と女の子を引き離した。 今度は女の子の声はしなかった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加