第0話 新学期

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チュンチュンと小鳥が心地よい声で鳴き、車から発せられる排気ガスの量がまだ少い爽やかな朝。そして、 「ハァ……ハァ……」 ボサボサな髪の毛を揺らしながら必死に走っている少年が一人。 少年が手に持っている物を一口かじる。 「ゲホ……グェホ!」 むせた。 たまらず少年の足も止まる。 爽やかな朝一番に走りながら物を食べたのもむせた一つの理由だが、もう一つ理由がある。 その理由は右手に持っていたある白い楕円形の物。 ゆで卵である。 中までじっくりと火が通っており、真ん中の黄色い黄身はパサパサしていた。 その黄身がむせた原因である。 皆さんの家での朝ご飯は何だろうか。 ご飯やパンが主だろう。 ご飯ならそこに味噌汁、焼き魚、納豆があったり、パンならマーガリンやジャム等あるだろう。 我が家はゆで卵である。 ご飯やパンの代わりにゆで卵である。 味噌汁やマーガリンの代わりは塩だ。 母親曰く「健康があるのよぉ」だとさ。 日本語がおかしくはないだろうか。
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