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そんな極々普通の悟には、極々普通から掛け離れた幼なじみがいる。
ラブコメのように、朝起こしてもらう事は無く、弁当を作ってもらう事も無く、恋愛に発展する事はまず無い。
異性の幼なじみがいるだけでも羨ましいと思った人はいるかも知れないが、本人を見れば分かるはずだ。
悟「ハァ……ハァ……ん? ……あれは?」
噂をすれば、と言ったタイミングでそいつは現れた。
三谷山高校の女子制服を着ていて、長いロングヘアーが歩くたびに上下に揺れており、悟とは対象的にゆっくりと歩いていた。
悟(あの制服は同じ高校だし、ロングヘアーだし、この時間帯に歩いているのはアイツ位しかいない)
悟は走ってその女子生徒の前に行き、顔を見た。
悟「はぁ……。やっぱりお前か……ハァ……ハァ……」
「朝くらいゆっくり過ごす事は出来ないのかいボーイ?」
悟「それはこれを見てから言えるセリフか!?」
悟は学制服ズボンのキツいポケットから、携帯を出して開いた。
「なに……」
悟「ほれ、言えるか?」
「ウサギが好きだったのか」
悟「ん?」
悟は自分の携帯の画面を見ると、そこには垂れ耳の白いウサギが画面に大きく写っていた。
悟「こ、これは違う!違くないけど、今は違う!」
悟は慌てて携帯を胸の部分に隠した。
悟は自分がウサギ好きと言うのは秘密にしていたらしい。
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