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「ふふん。大丈夫だ。誰にも言わないさ」
悟「ほ、本当か?」
「二、三人にしか言わないよ」
悟「その二、三人から話が広がるんだろうが!」
悟は早速その幼なじみに振り回されていた。
そんな彼女の名前は、西城 高菜(サイジョウ タカナ)。
悟とは幼稚園時代からの付き合いで、三谷山高校二年生だ。
悟「……って今はそんな話じゃない! 今何時か分かっているのか!?」
高菜「そんな事より耳がピンとなったウサギは好きか?」
悟「是非ともあの耳を上から……って違う! 軌道修正した話を元に戻すな!」
悟は時間を確認するために、再び携帯を取り出すと勢いを付けて開いた。
一瞬右口角が上がったような気がした。
そしてその口角は一瞬で下がり、額から汗が吹き出した。
高菜「まだ汗が引かないのか?」
悟「違う! 始業式まで十分もないぞ!」
現在の時刻は八時三十分。
始業式は八時四十分に開始で、十分前には体育館に移動している予定だ。
しかし、この2人は高校から必死に走っても五分以上は掛かる距離いる。
高菜「なら、私の自家用ジェットを使うと良い。持ってないけど」
悟「誰が得する嘘だよ!」
悟はそう言い放つと一人で走り始めた。
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