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気がつくと、見知らぬ風景が広がっていた。
真っ白な世界。
“私”という一人の少女が、ただ立ち尽くしていた。
“私”は誰?
何もわからない。
ただ、無機質な空間の中にある一本の大樹が、風に揺らされ葉が静かな音色を奏でていた。
耳を傾けていれば、何かが聴こえてくるような気がした。
その時だった。
ふと体が動きだした。
声がしたから。
『《箱庭》へ』
疑問を抱かなかった。
楽園が待っている。
それだけで、私は歩いていた。
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