陽が差さぬ場所

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「行き詰まり、か……」 自然とため息が漏れた。何かが起こっているのは確かなのに、動くことが出来ない。 闇に捕らわれた者達の安否も行方もわからず、救い出すことが難しい。 辛い状況であった。 「………話しががらりと変わっちゃうんだけどさ」 こいしはベッドに腰をかけると、蓮を見やる。 「蓮はこれからどうするの?」 死した魂は、冥界へ召されなければならない。 この幻想郷には冥界も三途の川もある、それは黄泉の世界へ繋がっているということで、その生を終わらせなければならないのだ。 「本来ならば閻魔のところまで連れていかなければならないのですが……」 さとりは目を伏せ言葉を止めるが、蓮の心はすでに覚っていた。 「蓮さんは、この一件を見逃せないご様子ですね?」 「………出来るなら、この事件……俺も手伝いたい。死ぬのは、それからだ」 「どうして?」 空の質問は純粋なものだった。彼女に悪意はなく、本人も他意はなかった。 だが、蓮には一瞬ではあるが、心に影がかかった。 死人なのに、生きていていいのと聞こえてしまったのだろう。 蓮としてもそれはわかっており、空がそのつもりではなく純粋な質問だというのはわかっている。 だから、彼は笑顔で答えた。 「成り行きとはいえ関わっちまったしな……こんなところで途中下車したら、俺は満足できない気がするんだ」 「………満足?」 「まぁ、理由はどうあれいいんじゃないかい。」 首を傾げるこいしを遮り、勇儀が言い切った。 「蓮も強力な戦力になりそうだからね。心強いじゃないか」 もし、またパルスィが暴れだす可能性もなくはない。その時が来たら、最悪の手段を取らなければならなくなってしまう。 蓮ほどの強さならば抑え込むことが可能だ、というのが勇儀の考えである。彼の潜在している力ならば、抑え込むなどわけないのは先ほど確認している。 だから、直接手を下すのは、鬼である自分の役目だと勇儀は肝に命じているのだ。 さとりもそれはわかっている。本当はそのようなことはさせたくはないが、本人の覚悟も一緒に覚ってしまい、強く止めることができないのである。 「だから、さとりに部屋を用意するように頼んだのさ」 「………え、最初から俺をここにいさせる気だったのか?」 さすがの用意の速さにもしやとは思っていたのだが、一応尋ねてみる。
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