鉄を操る者

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予想だにしなかった行動に蓮か苦笑していると、摩訶不思議な踊りから脱出した風鬼が顔を上げる。 「…………しまった、ついはしゃいでしまった」 「いや、そんなキリッと言わなくても……」 我を取り戻した風鬼が腕を振るうと、撫でるような風が巻き起こった。 それらは散らばったゴミを一ヶ所に集めるように、部屋全体へと舞った。 「……っ、くっ………一体何が………」 むくりと、正気に戻った兎男が立ち上がって頭を振っていた。 そして、周囲を見渡して居酒屋であることを確認して。 ばったりと蓮と目が合った。 しばらく、数十秒ほどの間があった。 「ぬぁっ、貴様ぁ……神谷蓮!」 「よ、俺に用があるんだって?」 とりあえず敵意はないということを示し、親しみ安いように片手を上げて明るく挨拶してみる。 「おのれにっくき敵め……はっ、お燐りんではないか! ぐぬぬぅ、貴様……お燐りんまで毒牙にかけたか!」 が、逆効果のようであった。 どうするかなぁ、と蓮は内心でため息をついた。というか、やっぱり来なければよかったと後悔する。 そもそも、蓮には何の落ち度もなくただ単に地霊殿に世話になっているのだから、自然的にペットと仲良くなってしまうのは仕方のないことなのだ。 ペットというから確かに人形はとれるが、やっぱり結局は動物なわけで。 いや、待てよと思考にストップをかける。相手も兎男と面妖いやいや妖怪なのだから、相手はペットでも構わないのかもしれない。 むしろ、ペットの方がいいのか。 「………というわけで、俺と弾幕ごっこしろ!」 「いや、何がというわけなのかまったくわからないんだが……」 そんなに長い時間考えに更けていたつもりはないのだが、向こうは言いたいことを全て吐き出したようだった。 肩を大きく上下させており、かなりの酸素運動をしたようである。 聞いてなかった蓮としてはその過程を教えて欲しいのだが、燐や護狼の様子を見れば関わるのは御免こうむりたい気分であった。 「というかさ、お燐達と仲良くなりたいんだったら地霊殿に来ればいいだろ」 地霊殿は決して立ち入り禁止などではなく、誰でも気軽に入れる場所だ。 赤鬼や勇儀達もよく遊びに来ては、ペット達と戯れたりしている。ならば、別に遊びに来てもいいはずだ。 「ふん、あそこにはさとり妖怪がいるではないか」
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