プロローグを書いてた

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あれは、中学一年の時だった。 僕はいじめの対象になっていた。いじめの理由なんてみんな勝手だ。 顔が気に入らない、性格が気に入らない、行動が気に入らない、陰口を言った。 理由なんてあればいい。要は憂さ晴らしがしたいのだ。支配欲と独尊心を満たす対象であればそれで。 僕は決まってスポーツが出来たわけでもなく、ましてやそんなことを考える広い視野や頭も持ち合わせておらず、僕、藤崎慧はいじめるやつらにとって恰好の獲物だったわけだ。 その日は靴に砂を入れられた。砂を払うでもなく、じっとその靴を見つめて何度目かになるため息をついた。 別に暴力を振るわれているわけでもないし、害と呼べることでもないため、意識の片隅に追いやった。 こんなことは日常茶飯事。前は確か足を引っ掛けられた。その前は・・・・・・ 考えるとまたため息が出た。思い出したってしょうがないじゃないか。もう、慣れたのだから。 その時だ。僕はあの人に出会った。 「人様を笑ってるんじゃない!!!」 遠くから怒鳴り声がしたと思うと、聞こえた方の曲がり角からいじめの首謀たちがこぞって飛び出してきた。 一体なんだと思い、近づくともう一人、見知らぬ女性が顔を出した。いや、正確には知っているのだが、面識は皆無だ。その女性は、朝の朝礼や事ある式では必ず顔を見せる、生徒会会長の成瀬川 渚(なるせがわ なぎさ)会長だった。
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