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首謀者たちはああだこうだと言い訳を並べてその場を乗りきろうとしているが、そんなことに一切耳を貸さない会長は顔を真っ赤にして言い放つ。
「あんたたちの言ってること、あの子も最初は言ってたんでしょ? 一人でも耳を貸した? 貸してないよね。だから私も耳を貸さない。見たところ初犯ってわけでもないんでしょ? こんなことに慣れさせるまであんたたちは……」
怒りのあまり、握りしめた拳が震え出す。
僕には分からなかった。僕のいじめと、あなたは何の関係もないのに、何故そんなに怒りを露にしているのか。
「私はね、人の苦しむ姿をせせら笑ってるやつらが大嫌いだ。そいつらはその人が死にたいくらい苦しんでることに欠片も気がついていないから……今、そんなわけないだろって思ったでしょ。気づいてたらこんなことできるわけないだろ!」
会長は一人の胸ぐらを掴んで体を揺らした。
「私が怖いか? あの子も怖かったんだよ! あんたらもう中学生だろ? もうすぐ2年生だろ? 小学生もしないことしてんじゃないよ!」
鬼気迫る勢いで責め立て、ついには泣き出してしまういじめっこたちに、会長は怒りを抑えず睨み付ける。
「……めん、なさい…………ご、めん、なさい……」
ぽつりぽつりと出た言葉をひたすらに呟くいじめっこたち。その時、会長の纏っていた雰囲気がガラリと変わるのを感じた。
「それが言えれば上出来。今日は帰って、反省して、また学校で会いましょ」
母親が子どもに向けるような、そんな慈愛に満ちた笑顔を会長はいじめっこたちに向ける。
僕は、その光景をただ唖然と見ているしかなかった。
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