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朝、すぐ後悔する事態を招いた。
それはお宿題。
ぬぁぁぁ!やっちまった。またあの熱血に怒られるし。
俺は半ば涙目で美奈の家に行った。
「美奈~。学校行くぞ~?」
家の前で俺はしょんぼりしながら呼び掛ける。
「うん…。」
って聞こえたような気がする。まだ寝てんのかなぁ。母親が玄関から顔を覗かせて申し訳なさそうにしている。
「羚次君、ごめんなさいねぇ。叩いても殴っても、うんとしか言わなくて。」
あはは、美奈らしいや。
今日は久々に起こしてやるか。
「起こしてきますね?」
「あら、いいの?」
「はい。」
俺は美奈の部屋に向かった。
「おーぃ美奈~!」
美奈の身体を揺すった。
「起きろ~。またやってねぇだろ~?宿題~。」
美奈は飛び起きた。
「やってない!」
美奈が飛び起きた所為で、俺は頭突きにあってしまった。
「つっ~~~~!」
「ぁ、おはよ。羚次。」
「おはようじゃねっつの。ぁ~痛。」
「あはは。ごめんって。」
俺はため息をついて、立ち上がった。
「はぁ。早く用意しろよ。」
「うん!」
美奈は慌てて制服に着替えてパンをくわえて、準備を終えた。
「時間割したか?」
「ぁ!」
「はぁぁ~。早くしろよな。」
「ごめんよぉ~。」
美奈は素早く用意をした。後40分で学校俺等は10分で学校に着いて宿題をやり始める。
「ああああ!!分かんねぇ~!」
俺は全く分かんなくて頭を抱える。
「三角形の相似の条件3つを答えよ…。相似って何?」
「知るか!くっそー早く来すぎて周り生徒居ないし!」
「全速力で走らせるからだよ!」
「美奈が走らせたんじゃねぇか!俺は提案しただけだし!まず、徒歩30分もかかる所で5分で着くとか俺の体力考えやがれ!」
「息切れ全く無かったくせに。私なんてずっとゼーゼー言ってたんだからね!」
「お前が一人で頑張ったんじゃねぇか!あぁもう!全く問題が進まねえ~!」
「ぁ、羚次!竹刀持ってきてくれたか?」
俺達が言い争っている最中に教室に朝練を終えた生徒達が入ってきた。
俺はいつもみたいに忘れた訳じゃなく、ちゃんと持ってきたんだぜ?
俺は自分のロッカー近くに立て掛けてある竹刀を持って、そいつに渡した。
「あぁ、…ありがとうな後藤。」
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