2章 2人のキョリ

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「うお、想像以上にボロっちぃな・・・」 呆れたように愚痴をこぼす。 「しょうがないだろ、人目のつかない所で安いのはここぐらいなんだから」 ベットなど最低限のものはちゃんと整備されているが、隅はホコリが被っている。 「こんだけの条件でシャワーまでついてるんだからどちらかといえば良いほうだ」 ハインケルが荷物を整理しながら流すように言う。 その背中を見つめるダリウスにハインケルはさっさと手伝うように促す。 (ったく、こっちの気持ちは完全に無視だもんな・・・) 乗り気じゃないが自分の荷物の整理を始める、時々隣に居るハインケルに好意の視線を送りながら。
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