2章 2人のキョリ

12/12
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
自分の布団に入り眠ろうとした時に目の辺りがじわっと温かくなった。 (…泣いてるのか?俺…) (あぁ、そっか本当はさっきから泣いてたのか…) ただ単に外の寒さで涙に気がつかなかっただけだったんだ、と気がついた。 そして涙は顔を伝い枕へと流れ落ちる。 温かかった涙も枕に落ちると冷たく湿っぽく感じた。 ハインケルを起こさないように声を出さないように必死に我慢する。 そして泣きつかれた頃には意識は打ち寄せる眠気に抵抗できず徐々に呑まれていった。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!