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辺りは暗く、音もなく
上下左右も分からないような所に気がつけば立っていた。
「ん、ここどこだ…?」
そういった言葉も虚しく闇に呑まれる。
足元も回りとまったく変わらない闇。
見渡す限り暗闇で不安すら感じる。
「なんで俺こんなとこに…」
そんな事を呟きつつ考えを巡らせてみる。
しかし頭はまったく回らず逆に訳がわからない状況に陥るだけだった。
「…ダ、リウス…」
!!
呼びかけられた声に驚く、その声はハインケルそのものだったから。
「ハインケル!?おい!」
叫びながら声のした方向へ走っていく。
「ハインケル!どこだ!?返事しろ!」
無我夢中で走り、気がつけば、一面暗闇だった世界が一転、見覚えの無い荒野に変わっていた。
「ハァ…ハァ…ここは…」
息を切らしながら回りを見回す。
そして一角にあった光景を見て目を見開いた。
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