4章 愛のカタチ

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帰りの雪道を二人寄り添いながら歩く。 ただ静かに、会話もなく。 ただそれだけで満足できた。 隣を見ればアイツが居る、今までは当たり前の事だった。 しかしそれが今は何故か新鮮で、不思議と心が満たされた。 「…りがと…ダリウス…」 何か聞こえた気がしたが…あまりにも小さく聞き取れなかった。 だがそんなのは今は些細な事だ。 今はただこの優しい静寂に包まれていたい。 ハインケルは今何を思っているのだろう… そんな事を思いつつ歩いていく。 時間の流れがとても遅く感じる錯覚まで起きた。 時折吹き付ける冷たい風が俺を現実の世界に引き戻す。 「ダリウス?」 「ん?あぁ、着いたのか…」 気がつけば宿についていたようだ。 おかしい、どうにも変な感じだ。 上下左右分からない所に漂っているような…地に足がつかないで浮いてるような… その中でも今の自分とは違う何かが目覚める感覚。 理性の欠片などもない野蛮で本能のまま動く獣のような自分が目覚めようとする感じ。 理性で抑えようとしても抑えきれない。 やがて本能の獣は理性の凌駕し、体の主導権をかっさらっていった ハインケル…俺はモウ…我慢…出来ないかもしれナイ…
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