4章 愛のカタチ

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「ん…!んん!」 目を開け俺を突き放す。 「ハァハァ…朝から何やってんだ!ダリウス!」 赤い顔で呼吸を整えながら叫んできた。 「はは、わりぃ、わりぃ。ちょっとやってみたくてさ、目覚めのキスってやつを」 笑いながら謝る。 だがハインケルはかなり焦っているようだ。 「あ、あのなぁ!下手すりゃ死ぬぞ!?」 「でも満更イヤじゃなかっただろ?」 「う…」 図星か、これは大成功だな。 「さて、目も覚めたしもう一回♪」 「バ、バカ野郎!」 また唇を触れあわせる。 ハインケルは言葉とは裏腹に舌をねじ込んできた。 負けじと俺も舌を押し入れる。 今回は少しキスをしただけで口を離す。 「ぷはぁ…おはよう、ハインケル」 「今更か…おはよう、ダリウス」 軽く挨拶を交わして離れる。 そして服を荷物を取り出して着替えようとした。 ん、これは…? 荷物の片隅に紅く光る物が見えた。 それはあの鉱山で拾った賢者の石だった。 そして隣で同じように荷物をいじっているハインケルに石を投げる。 「ハインケル、これ受け取ってくれ」 「お前、これ…!」 「キンブリーと縁切った時に拾ったんだ。お守りとして、な?」 「…はぁ、分かった。大事にするよ」 ハインケルは石をゆっくりと大事にそうにポケットに入れた。 その時のハインケルの顔が何故か暗くなった理由が俺にはわからなかった。
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