2章 2人のキョリ

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「じゃぁ、先生お願いします。」 体格の良い黒髪の男・・・ダリウスが礼儀正しく頭を下げる。 古く、こじんまりと老夫婦が医師をしている病院。 「何をやらかしたのかは聞かないけど・・・随分無茶したみたいだねぇ・・・」 人の良さそうな老人医師が少年を診察しながら言う。 「・・・ぅう・・・アル・・・みんな・・・」 ベッドに横たわる少年は苦しそうに言葉を漏らす。 「とにかくしばらくは絶対安静だねぇ・・・入院費と診察・治療代はまた後で知らせるから」 「分かりました、じゃあ我々はこの辺で。」 「・・・しっかり養生しとけよ?」 ダリウスの隣にいた金髪で口ひげを蓄えた男、ハインケルが口を開く。
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