2章 2人のキョリ

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外は一面の雪景色。 雪が降り積もり忙しそうに雪かきをする人の姿もある。 「うぅ・・・やっぱさみぃなぁ・・・」 ダリウスが手を擦り合わせながら言葉を漏らす。 「なぁ、ハインケル・・・上着貸してくれよー」 「ふざけんな、俺だって寒いんだ。」 隣にいるハインケルが軽くあしう、この程度のやりとりはいつものことだ。 (っちぇ・・・冷てぇの・・・いつものことだけど) 一人落ち込んでいるダリウスを尻目に 「さっさと、宿行くぞ。寒くてたまらん。」 と一人で勝手に歩き出すハインケル。 「あー・・・ちょ、置いてくなって!」 雪に足をとられながらも急いでハインケル追った。
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