2章 2人のキョリ

3/12
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/90ページ
外は一面の雪景色。 雪が降り積もり忙しそうに雪かきをする人の姿もある。 「うぅ・・・やっぱさみぃなぁ・・・」 ダリウスが手を擦り合わせながら言葉を漏らす。 「なぁ、ハインケル・・・上着貸してくれよー」 「ふざけんな、俺だって寒いんだ。」 隣にいるハインケルが軽くあしう、この程度のやりとりはいつものことだ。 (っちぇ・・・冷てぇの・・・いつものことだけど) 一人落ち込んでいるダリウスを尻目に 「さっさと、宿行くぞ。寒くてたまらん。」 と一人で勝手に歩き出すハインケル。 「あー・・・ちょ、置いてくなって!」 雪に足をとられながらも急いでハインケル追った。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!