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ぼくいろ
真夜中に風を切る
霧も 空気も 世界も全部
切り裂いて
飛ぶように流れてく視界の端から
溢れてく透明な雫
黒だけ詰めていく
月明かり 海に映し出すのは
疲れた顔
溜息ばかりを繰り返し
いくつの幸せが逃げた?
掬う砂は
小さな手から零れて
まるで夢のよう
なんにも掴めないまま
歩いて…
幾度も膝を折り
夢も 未来も 希望も全部
干からびて
終わりへと続いてく時計の針から
奪い取るとうめいな未来
現実(今)だけ 描き出す
太陽は今日も変わらないまま
輝く朝
ふらつく頭と開かない目
醒めない夢だけが欲しい
繰り返しで
造られていく世界は
壊れたフィルム
なんにも動かないまま
進んで…
語れない夢を持つ
僕は 一体 何ができるの?
問い掛けるけど
響かないんだ 冷たい世界は
溢れ出すたくさんの想い
聞かないフリをした
真夜中に風を切る
霧も 空気も 世界も全部
切り裂いて
飛ぶように流れてく視界の隙間に
埋め込んだボク色の欠片
どんな色に染めよう…
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