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次の日も雨。
私は彼のベットの上で裸のままひよこ座りの態勢だった。
(憂欝だな……)
気がつくともう7時を回っている。
寝呆けていた私は出勤時間を過ぎたと思い込み時計を見て慌てた。けれど、その日は土曜日で仕事は休みだった
(あっ遅刻!!んっ?…そっか今日、土曜日だ)
そんな私の様子は知らずに彼はまだ私の隣で寝息をたてている。
「本当は僕の洗濯機、乾燥機付きなんだ。昨日、君にわざと教えなかったんだよ。引き止める口実に」
「えっ?」
目覚めた彼は私にそう言って爽やかに笑った。
不思議といやらしくは聞こえなかった。
彼に言われるとただ単純に照れてしまう
「雨、早く止まないかな…」
さっきとは違う笑顔だった
彼に見つめられると射ぬかれるような感覚になって動けなくなる
「僕は好きだよ」
「えー?なんか私は気分が沈むからヤダな」
「僕は情緒があると思うけどな。嫌なことを洗い流してくれる気がするし」
「そうかな?」
ザアァァ…
その後もそこに2人を留めるかのように雨は降り続けた
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