はじまり……

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太が暇そうに言った。 何かおかしい。さっきから学校の周りに何かいる。 「昇太、亮ちょっと屋上に行こうぜ」 「え?」 突然だったので二人ともビックリしていた。 「いいから」俺は強引に二人を屋上に連れてきた。 屋上には何も無く落下防止の網フェンスがあるだけだった。 「昇太、今周りにいる人見えるか?」 昇太は視力がとても良いのだ。 「なんで?なんかあるのか?」 「いや、少し周りの人の動きが変なんだよ」 と説明すると昇太はすぐに周りの人を見た。 「!!!!!」 昇太の反応がおかしい。 「どうしたんだよ?」亮が不思議そうに言った。 「……くっ……た」 「え?なんて?」 二人は聞き直す。 そして昇太は言い直す。 「人が……喰ってた」 いまいち意味が分からなかった。 人がご飯を食べてて驚くはずないし? 「何を?」 俺は聞き返した。 その瞬間 ギャアーーー― 外から悲鳴が聞こえた。 俺と亮はすぐに外を見た。昇太は座ったままだった。 二人は言葉を失った。なぜなら今、学校のグランドで先生が血だらけで倒れている。 その横に一人いる。何をしているかはすぐに分かった。 喰っている。人を。 まだ俺達には理解が出来なかった。 なんで?人が人を喰っている?意味が分からない。 俺は頭が痛くなった。 昇太は震えていた。いつも元気なのに。 亮は頭を抱えていた。おそらく俺と同じで頭が痛いのだろう。 「とりあえずクラスに戻ろう」俺は言った。 二人は無言で頷いた。 クラスに戻るとき キーンコーン チャイムが鳴った。 地獄の始まりの鐘が……
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