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『大谷吉継』
業病に冒され全身を包帯で覆い隠し、御輿に乗せられて関ケ原の地に馳せ参じたと云われている大谷吉継。
いよいよ病状が悪化し命の危険に晒されし折、彼の肉体に訪れたるは劇的な覚醒であった。
ハンセン病―
金髪と化した頭髪、口元に携えた髭、天高く掲げられしは“西部の長い角”、そしてその豪腕から繰り出されるのは“上素単裸理圧倒”―
当時で言えば助からないとまで云われた恐ろしき病、しかしこの大谷吉継は其の信念の炎によって病を克服し、生まれ変わったのであった。
しかし―
戦の後、この大谷吉継がどうなったのかは、残念ながら文献が残っていない。
全日本の巡業に回ったとか、米国に渡ったとか、諸説あるのは事実だが、そのいずれもが憶測の域を出ないのであった―。
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