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夕方。目が覚めて、カラカラの喉を潤すため冷蔵庫に向かう。僕は冷蔵庫の中にビールしかないことを知っていたが、一応開けて確認する。
・・・・ビール。知ってたし・・・と強がりながら氷を取り出しコップに移す。そこに水道水を注いで水が冷えるのを待つ。
待っている間、冷蔵庫を見て思いだした。
何の映画だったか忘れたけど、オドレイ・トトゥが言っていた台詞。
「私、冷蔵庫って好き。いつもゴロゴロ言ってて猫みたいで可愛いもの」
こんなこと言えてしまう女ってどこに行けば出会えるんだろう?やっぱフランスか?まだニッポンじゃムズいな・・・
今度カポに冷蔵庫ってどう思う?って訊いてみよう。きっと「シカク」とか「無いと困る」って無機質な表情で言うだろう。
そういえば冷蔵庫には何も絵を描いてなかった。次は冷蔵庫に描いてやろう。
振り返りテーブルに放っておかれたコップを気にする。
表面についた小さな水滴が水が冷えている事を教えてくれた。キンキンのそれを一気に飲み干し、コンポの電源をいれCDを再生させた。
LITTLE TEMPOは夕日によく合う。ポアンポアンした音色は窓の外の風景をスローにした。
時間を見て出掛ける支度を始める。シャワーを浴び、適当な服を着て、また時間を気にする。煙草に火を着けて、相棒の迎えを待つ。
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