相棒コウイチ。

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 相棒の名前はコウイチ。僕のたった一人の親友?と言っておいてやろう。  出会いは中学二年の時に同じクラスになったのがきっかけだった。  コウイチはそこそこイケメンなのだが、話す内容の七割が下ネタであとの三割は都市伝説的な話だったため、女子達からはシカトされていた。  僕はコウイチの持つ独特な感覚に興味を持ち話を聞くようになった。そんな僕の食いつきっぷりにコウイチも僕が珍しい奴だと食いついたのだ。僕とコウイチはいつの間にか毎日一緒に遊ぶ仲になっていた。  おかげで僕も一部の女子にシカとされる羽目になったが、コウイチは一部の女子と話せるようになっていた。僕のおかげでコウイチに対する警戒網が緩んだのだろう。  コウイチはいつも僕にいろんな話をした。  家に住みついた女の幽霊に告って今同棲中だという自慢話やどぶ川で見つけた河童と相撲をとった話も聞いた。アメリカに住んでるといういとこの姉ちゃんがパリスに土下座させた話もあった。他にもいろんな話があったがとにかくコウイチの話は刺激的で、当時の僕には最高におもしろかった。  コウイチは何か嫌な事や自分に不都合な事があると、現実の世界を塞いで妄想の中に都合のいい場所を作りそこに逃げ込むという特技を持っている。  その場所でいろんな出来事が起こるのだ。女の幽霊とも同棲できるのだ。  僕も妄想に浸るのは得意だった。野良猫を巨大化させたり、念力で高いビルを薙ぎ倒したりできる。  僕等は現実を嫌い、いつも妄想の世界のような奇跡を願った。
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