3.それぞれの思ってること

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♣1♣ 12月―。 「なぁ」 「なんだ?」 春歩が夏輝に話しかけた。 ここは秋也の家の部屋。 部屋の主は― 冬斗とゲームをやっている。 「にゃ〰!また負けた!冬くん強いっ」とかわめいてる。 「もう、12月じゃん?」 「え、ああ、そだな」 春歩は夏輝の隣で低いテーブルにぐでーっとしながら話しを続けた。 「ほら、12月じゃん?」 「うん」 「12月じゃん?」 「しつこい」 ぽかっと軽く頭を殴った。 「いてっ。なぁ、12月といえば、クリスマスだぜ?」 「そうだな」 「夢花にさ、なんかプレゼントしないのか?」 「ああ。そうか」 「まさか、忘れてたとか」 ぷ、と笑われたので今度は耳を引っ張った。 「いたたたたた!ごめんごめん」 「反省すればそれでよし」 夏輝は、忘れていた訳ではないのだ。
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