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♣1♣
12月―。
「なぁ」
「なんだ?」
春歩が夏輝に話しかけた。
ここは秋也の家の部屋。
部屋の主は―
冬斗とゲームをやっている。
「にゃ〰!また負けた!冬くん強いっ」とかわめいてる。
「もう、12月じゃん?」
「え、ああ、そだな」
春歩は夏輝の隣で低いテーブルにぐでーっとしながら話しを続けた。
「ほら、12月じゃん?」
「うん」
「12月じゃん?」
「しつこい」
ぽかっと軽く頭を殴った。
「いてっ。なぁ、12月といえば、クリスマスだぜ?」
「そうだな」
「夢花にさ、なんかプレゼントしないのか?」
「ああ。そうか」
「まさか、忘れてたとか」
ぷ、と笑われたので今度は耳を引っ張った。
「いたたたたた!ごめんごめん」
「反省すればそれでよし」
夏輝は、忘れていた訳ではないのだ。
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