原稿用紙

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「間違い電話かな。非通知だったし」 照れかくしに言って、ロッカーの扉を大きく開けた。 とたんに、あれっと思う。 顔の高さの段に、見慣れない封筒があったのだ。 部室のロッカーの下のほうは、ちょっとしたブラックホールだ。 何年前からあるのかさえもはっきりしない、汚れた封筒やら段ボールやらが押し込まれている。 けれども上の数段だけは、去年部長だった柳井のおかげできちんと整理され、ゆとりもあった。 問題の封筒は、ノートばかり並んでいる段の真中にさしこまれ、2センチほど手前にはみだしていた。 下の段にいくつもあるのと同じ、A4サイズの茶色い封筒だが、 真新しくきれいなものだった。
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