原稿用紙

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「――何だろう?」 比呂が手に取りながらつぶやく。 土曜日に見た時には、こんなものは入ってなかった。 「誰かの原稿が上がったのかも」 いずみが言う。 そう、誰かが原稿を書き終え、そこへ入れておいたのかも。 比呂はベンチに腰をおろし、封筒の中身をとりだした。 たしかに、原稿だった。 小説らしい文章がワープロで印刷されていた。 4、5ページ――原稿用紙にして10枚ちょっとだろうか。
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