編集長の恋

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「ところで編集長」田村いずみはもう一度言って、「みんなの原稿はどんな感じですか?」 「森くんは順調に進んでるって言ってた。80枚くらいの文芸大作なんだって。なにしろ高校生の時から小説を書いてて、新人賞に応募したこともあるっていうから、期待してていいと思う。相沢さんのほうはどうかな、『まだ一週間ありますよね?』なんて、いつもの調子で言ってたけど」 比呂は2人の1年生の対象的な表情を思い浮かべながら言った。 「3年生は、川辺くんが50枚、吉岡さんが30枚くらい書くって。ただ2人とも、何だかんだ言って締切りを延ばそうとする癖があるから、きをつけないと」 「鈴木先輩自身はどうなんですか」 「わたしは今回編集作業があるから、20枚だけ」 「で? もうできてるんですか?」 「半分くらい」比呂は正直に答えてから、 「4年生の先輩たちは、柳井さんが50枚くらいだって。あの人は一度も締切りに遅れたことないから、信頼していいはず。就職ももう決まってるっていうし」 「女子校の先生でしたっけ」
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