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芽吹き
「毎度あり~。」
土方が、ほとんど空になった薬箱を肩にかけて、腰を浮かしかけると
「待って!歳さん。来月また来てくれます?」
「来ても良いですが、このお屋敷の方々はそんなに怪我をなさるんで?」
本当の目的は違うのだと分かりつつも、真っ赤になった奥方を流し目で見ながらいたずらに問う。すると
「いえね、よく効くものだから、知り合いにもあげようと思って…」
「へぇ~。そいつはどうも。じゃまた来月参ります」
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