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リトミネンコがモスクワに戻ったのは、それから約二週間後である。
潜水艦乗りとして、まったく事故も故障も障害もなく予定通りに任務を完了して戻ってくるのは珍しい。それはリトミネンコの軍人としてだけでなく、リーダーとしての優秀さを物語るものでもあったのだが。
リトミネンコは、海軍本部でリポートの提出をしたあと、すぐにとある居酒屋へと向かった。
「やあ、リバチェフ。」
まず彼が会ったのは、ミーシャと同じく、KGB時代に彼とともに、さまざまな極秘任務をともにした同志であった。
「ああ。連絡があってから、できる限りのことは調べてみた。UN63という暗号・・・いや、正確には物質なんだが。ここにその詳細がレポートしてある。」
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