第二章 発端

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「ありがとう。同志。」 こんなときに・・・と思いつつも、彼はまずリバチェフと固い握手を交わした。 「ただな・・・」 リバチェフが言いにくそうに目線を落とす。 「どうした。」 「今回の事件はヤバ過ぎる。お前のために言うのだが、今回の件は、政府の発表どおり、事故死ではいけないのか?」 「ああ。」 「そこには書いてないが・・・どうやら、今回はクレムリンが絡んでいるようだ。下手を打つとトップまで芋づる式にたどりつく恐れも十分ある。」 「大統領様・・・か。望むところだ。」 「それに君ももうマークされている。実際、ヤツらが痕跡を唯一残してしまったのは、君のその耳だけだ。」 「忠告ありがとう。気をつけるよ。」
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