第三章 リバチェフリポート

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もちろん、民主化を遂行するための暗殺や尾行、秘密調査などの自らの任務に疑問と嫌悪を感じたこともあったが、何より彼はゴルバチョフの夢見た政治体制に敬意を払っていた。 そして、その『夢』をきいたとき、もっと彼はそれに貢献できる方法があればと、心から願ったものである。 究極の政治体制は民主制のそれであることは、十分に理解できていた。 ただし、ロシアの民主化という政治イデオロギーの変化が抱える最も深刻な問題は、国家レベルの危機に陥るような、自然災害や暴動、さらに戦争や原子力発電所の事故などの事件が発生したときの国としての求心力を試される局面である。
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