9.11の真実～ロシアの崩壊と旧ソの再来～

第三章 リバチェフリポート

情報統制によってこれを一気に鎮圧し、国民のこれに対する反感は軍の力を持ってでも制圧する。ディスインフォメーションでこれを沈静化させる。そういう強制力をもった政治になれてきた官僚や上層部が、もしこのような事態に『ソビエト』ではなく『ロシア』としてはじめて直面したとき、彼らも国民もこれを『民主的に』解決することになれていないのである。

このようなマクロ的な視点だけでなく、もう少しミクロな視点でみても、ゴルバチョフの変革に対する抵抗は根強い。ゴルバチョフの時代が終わってからこの数ヶ月の間だけで、ロシア国内を中心としたジャーナリストのうち、旧ソビエトの亡霊である秘密警察の存在を取材した人間が数十人という規模で変死を遂げている。これも現在のロシアにおける看過できない問題であった。