第四章 懲戒免職

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「拘留?もはや過去の歴史の教科書にしか出ないナチのような行為をこの民主化をたどる国家が堂々と行うのですか?」 「だからこそ、今回の件は『緊急事態』なんだよ。少尉。」 「ミーシャが何を見つけて、何を追っていたのか。それだけでも私は確かめたいのです。そして、UN63なる物質の用途と実用性についても。」 「少尉。恐らく、その件については、完全に『秘密警察』のほうで処理されてしまっていて、何一つ残されてないだろう。」 「私もそう思っていたのですが、どうやらありそうなんですよ。」 「それを君が探すことで、君自身だけでなく、何人もの同志の命が奪われるとしても、君は行くのか?」 「それが親友との約束ですから。」 リトミネンコは、この『親友』という言葉を強調した。そう。彼女は、あくまで同志である前に『親友』であったのだ。
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