第四章 懲戒免職

5/5
92人が本棚に入れています
本棚に追加
/105ページ
「わかった。残念だが。君にはここでまず解任を言い渡す。本日をもって少尉待遇は受けられない。扱いとしては、懲戒免職であるから、特別な扱いは何もできない。階級も君が『いなくなっても』今のままだ。特進もない。そして、君はKGBから追われる身となる。それでいいね。」 「はい。」 短く答えたリトミネンコは、階級証と拳銃をそのままカーネル少佐の机に置き、足早に司令部をあとにした。 (彼の能力は私が一番高く評価していたのだが・・・しかし。UN63の存在までたどり着いているとなると・・・さすがに国家全体を脅かす存在になる。さすがの彼も数時間後には生きてはいまい。) カーネルは残念そうに天井を見上げ、目を閉じた。 リトミネンコが申し出を辞退した今、その報告はすぐにでも司令部に報告するべきであった。しかし、カーネルがそれを1時間あまり遅らせたのは、カーネルなりの、彼への誠意と愛情であったのかもしれない。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!