第五章 クレムリンにて

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「例の男はどうなっているんだ?」 苛立ちを隠せない様子のプーチン大統領が手に持っていたレポートを机にたたきつけた。 「現在調査を進めております。場合によっては、拘留の措置をとる準備は法制局とも話をつけて、すでに準備は整っています。」 「問題は、ヤツがどこまでつかんでいたか・・・だな。」 書記官の目をまっすぐに見据えるプーチンの眼光は鋭い。 「はい。ただ、ほぼ99%の資料はすでに押収しております。」 思わず目をそらしてしまったシュミチョフが答える。 「なるほど。残った1%に残されたのは、果たして私の首を・・・果ては愛すべき社会主義の命運を刈り取る鎌となるか・・・だな。」
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