第五章 クレムリンにて

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プーチンは、いらだたしさを隠さない。 「このままでは、社会主義のイデオロギーは完全に世界から消滅するぞ。そんな不名誉だけは私の政治生命にかけても防がねばならん。」 持っていた書類の束をさらに机に叩きつけて、プーチンが叫ぶ。 「チャイナももう少し骨があるかと思っていたが。」 シュミチョフが責任転嫁のようなことを言う。 「ああ。帝国資本主義の犬に、金をちらつかされて完全になびきやがった。」 ここで答えたのは、軍事最高指令官の立場にあるサビッチ中将である。
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