第五章 クレムリンにて

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「後は・・・イラクと北か。」 ここでいう『北』とは、北朝鮮のことを指す。 「あそこは・・・北は今のところ市場や実験場にはなっても、同盟国にはなれん。やはりイラクに期待するしかないな。」 シュミチョフが吐き捨てるようにいう。 確かに、金政権は、その政権の維持に精一杯であり、社会主義イデオロギーを世界の民主化の波に対抗すべく守るため、といった世界を見据えた外交勢力としての期待は、一切できない。 「まさか、ゴルバチョフの亡霊がここに来てこんな復讐をくわだてるとはな。思った以上に各国の軍事的緊張が高まらん。」 プーチンが悔しそうにいう。
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