第五章 クレムリンにて

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「どうやらインフォメーションカウンターを打ってきているような報告が入ってきているんだ。もう少し様子を見ざるをえまい。ちぇっ。あの狐め。」 プーチンが暗殺を買って出た黒コートの男を制止するようにいう。 「どちらにしても、今回の件が明るみに出れば、君の人生は終わる。それだけは頭においておいてくれ。」 黒コートにフードを深くかぶっているために、その正体すらつかめない男は、半ば脅迫に近い言葉を吐いた。 「わかってるつもりだ。」 沈痛な表情でプーチンがうなずく。
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