第六章 リトミネンコの危機

5/7
前へ
/105ページ
次へ
(・・・それなら、決断はいまだ。) リトミネンコはそれをある程度クールに判断し、適切な行動に移ることにした。 (・・・背後から来るのは二人か。) 通常、尾行の目的が何であれ、彼らが個人で行動することはない。 少なくともふたり以上で行動するのが秘密警察の行動の鉄則だ。さらに、重要なミッションには、これを遠くから監視する役目を負う監視役がつく。 ということは、少なくともふたり『以上』のプロを相手に、銃撃戦をしなければならないということである。 しかしながら、リトミネンコがもっているのは、古いタイプの護身用に毛が生えたような旧式の銃だけだ。 今まで自身の身を守り、慣れ親しんだ最新式の銃はすでにさっきの退職時に返還している。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

93人が本棚に入れています
本棚に追加