第六章 リトミネンコの危機

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(こんなことなら、銃を返すんじゃなかったな・・・。武器庫からも何かを『くすねて』くるべきだった・・・) と後悔はしてみるものの、この期におよんでの切り替えの悪さや判断の停止は即、死を意味することになる。 (・・・仕方ない。) リトミネンコは覚悟を決めると、寒さで手をポケットに入れる風に一度両手を口にあてて暖めてから、その手をゆっくりとポケットの中に入れて、拳銃の安全装置を解除した。 もし有利な条件があるとしたら、相手はこっちが銃を携帯していないと油断してくれているかも知れないことだろう。
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