第六章 リトミネンコの危機

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もし、相手が丸腰であればなお良いのであるが。 それでも、手だれのエージェントがふたり以上相手で、一気に勝負を決めることができるか。 ひとりでも逃がせば、リトミネンコは身を隠す暇もなく、人数を集められて、彼らの餌食になることになるだろう。自分が『反逆した』、という事実を『上』に知られるのは、一分でも遅いほうがいい。 彼は、とある曲がり角に差し掛かった瞬間、一気に走り出して、手近な看板の陰に身を潜めた。
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