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「同志リトミネンコ。今日は私はすこぶる気分がいいの。」
確かに、女性将校ということで、いつも周囲の目を気にしてか、けわしい表情で通信機に向かっていることの多い彼女にしては、今日の口調や雰囲気は明らかに違うものを感じる。
「どうした?逃げた旦那でも帰ってきたか?」
リトミネンコはからかい半分で軽口をたたく。
「いやいや、そんなしけたもんじゃないのよ。」
彼女には、結婚していた男性がいた。しかし、その男性はソビエト崩壊のときの政変に巻き込まれて海外に亡命している。
「なんだ?できればすぐにでも聞きたいものだな。」
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