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ある日、就業時間終了間際に悟が真咲の所に来た。
「真咲、今日時間ある?」
「今日は予定ないけど」
「裕也が、久しぶりに皆で晩飯行こうって言ってるんだけどさ」
「いいよ!」
「じゃ、1階のホールで待ってるよ」
仕事が少し延びて、ちょっと遅れてホールに行くと、裕也、美樹、悟ともう1人男性が一緒にいた。
「ごめん、遅れた~」
と真咲が近づくと、
「おっ、真咲。今日さ、こいつも一緒でいいか?」
そう言った裕也の隣にいたのは、今年入社した男性だった。
顔に見覚えはある。裕也と一緒に仕事をしているのを見た事があった。
「早川潤です。よろしくお願いします」
そう言って彼は頭を下げた。
「あっ、北原真咲です。よろしくね」
「今日は突然すみません。お邪魔します」
「いいえ~。全然構わないよ」
「よし!じゃ、行こう!」
裕也の掛け声で会社を出る。
「どこ行くの?」
真咲が美樹に聞いた。
「最近、この近くに新しくできたお店あるでしょ?そこ、行こうかと思って」
「あ~!いいね!行ってみたかったんだ~」
「でしょ?楽しみだね!」
裕也が連れてきた後輩の早川潤は、スラッとしたスタイルで、すっきりとした顔立ちから知性的な印象を受けた。
お店は、和風の落ち着いた感じで、雰囲気が良かった。
座敷に通され、注文を済ませ、5人で会社の話題を話す。
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