僕が僕である為の方法

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僕が僕である為の方法

始めは、小学校四年生になった時。ボクの母親に当たる女に「お姉ちゃんは天才ピアニストよ。あなたも音楽やってみる?」そう言われて、なんとなくピアノをやった。初めて、ピアノを前にしてボクはピアノをポロンと鳴らす。凄く綺麗な音だと思った。 それから一年ピアノを習ってから、ボクにピアノを教えてくれている女の先生に、「あなたはピアノの素質がないわね。別の楽器をしてみれば?」そう言われて、バイオリン、フルート、トロンボーン、ハープ。なんでもやった。でもどの先生からも「お姉さんとはえらい違いだ」と言う。 それからボクは、音楽が嫌いになった。 母親は中学受験の時にボクに言った。「あなたも音楽学校に行ったら?」と。 ボクはどうでも良かった。自分の進路なのに特別興味もなく、ただ流されるままに生きてきた。 だから、音楽を盛んにやっている中学校に入学して、少しでも姉に追い付ければ、ボクの杞憂は晴れるとでも思ったのだろう。 そこに入学してみれば、今までボクに音楽を教えてきた人達と同じ事を言う教師という役職に就いている人にではなぜ、この学校の入学を許したんだと、言いたかった。
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