友人

3/4
前へ
/118ページ
次へ
「てりゃあ!」 あー、俺に向かってくるなんて、馬鹿な事を…。 「追い出します。」 俺は冷静に、右手で椅子を奪い、左手で鳩尾に一発いれて、店の外に置いて来た。 常連からは拍手やヒュー!といったようなものが飛び交った。 「流石はRYUやなぁ。相変わらずのお点前で。」 「夏弥。来てたのか。」 「なんや、気付いてなかったん?結構前からいたで?」 「いや、忙しかったから。」 俺がオーナーに目を移すと、オーナーは、休憩していいよ、と口を動かした。 俺はありがとう、と口を動かして、大平夏弥の前に座った。 「RYUは相変わらず真面目に働いとるなぁ。」 「そうでもないさ。そういや、夏弥、どうしてきたんだ?」 「近くを通りかかったから、会いにきたんや。」 「ありがとう。」 俺は近くにある新聞を手にし、夏弥に見せた。 「夏弥、しってる?なんか、ここらへんに新しい教会たったんだ。」 「知っとるで!なんか、美人なシスターがいるらしいってニュースでやっとったから。」 「俺が聞いた話だとさぁ、お布施を貰ってるんだって。」 「なんや、それ!最低やん!」 「だよねっ!俺も許せなくってさ!」 「RYUなら今にかかって行きそうで怖いわ。」 「いやいや、っと!ごめん、仕事に戻る!」 時計をみると、30分近く夏弥と話をしていたらしく、オーナーに謝って、仕事を再開した。 今日の仕事は5時くらいまでで、夏弥と話をしていたのは四時半くらいだったので、夏弥に待ってて貰う事にした。 「ごめん、待たせたな。」 「今、仕事中とちゃうんやし、男口調、止めたら?」 「いや、癖でさ。」 .
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加