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「てりゃあ!」
あー、俺に向かってくるなんて、馬鹿な事を…。
「追い出します。」
俺は冷静に、右手で椅子を奪い、左手で鳩尾に一発いれて、店の外に置いて来た。
常連からは拍手やヒュー!といったようなものが飛び交った。
「流石はRYUやなぁ。相変わらずのお点前で。」
「夏弥。来てたのか。」
「なんや、気付いてなかったん?結構前からいたで?」
「いや、忙しかったから。」
俺がオーナーに目を移すと、オーナーは、休憩していいよ、と口を動かした。
俺はありがとう、と口を動かして、大平夏弥の前に座った。
「RYUは相変わらず真面目に働いとるなぁ。」
「そうでもないさ。そういや、夏弥、どうしてきたんだ?」
「近くを通りかかったから、会いにきたんや。」
「ありがとう。」
俺は近くにある新聞を手にし、夏弥に見せた。
「夏弥、しってる?なんか、ここらへんに新しい教会たったんだ。」
「知っとるで!なんか、美人なシスターがいるらしいってニュースでやっとったから。」
「俺が聞いた話だとさぁ、お布施を貰ってるんだって。」
「なんや、それ!最低やん!」
「だよねっ!俺も許せなくってさ!」
「RYUなら今にかかって行きそうで怖いわ。」
「いやいや、っと!ごめん、仕事に戻る!」
時計をみると、30分近く夏弥と話をしていたらしく、オーナーに謝って、仕事を再開した。
今日の仕事は5時くらいまでで、夏弥と話をしていたのは四時半くらいだったので、夏弥に待ってて貰う事にした。
「ごめん、待たせたな。」
「今、仕事中とちゃうんやし、男口調、止めたら?」
「いや、癖でさ。」
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