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「ははッやだ、光くん、超うけるんだけど~」 「光、もうやめとけ、 コイツ鼻から牛乳だすから」 「ぶっその顔うけるぅぅ~!」 はぁ…。 俺は心でため息をついた。また、アイツの周りには友達が集まっている。 なんで? 何でか分からないけど俺はアイツが憎い。 ただの、嫉妬なんだろうって心では分かってんのに俺はそれを認めたくなかった。 容姿端麗、頭脳明晰 そう言われ続けた俺は周りから一目置かれ勉強教えて?ノートみせてくんない? 学級委員長やってよ。 そう言われることがあっても 今日遊ぼうよ カラオケ行かない? そう言われることはない。 周りにいるのは友達なんかじゃなくって張り詰めた冷えた空気だけ。俺に話しかけにくるやつは、最初はニコニコしているものの、去っていくときは眉を歪めているのだ。 だから、アイツが憎いんだ。 俺の醜い心が 何故か情けなかった。
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