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「もしもし、お母さん?」
「「もしもし、さち!今すぐ帰ってきて!ハプニングよ!」」
「え?何?何があったの?」
「「いいから、早くして!じゃあね!」」
「ちょ…もしもし!?ちょっとー!」
通話の切れた音が私の苛立ちを倍増させる。
なんでよ…。
悠介と2人で遊べるチャンスなのに。
何があったかくらい言ってよ…。
でも…心配だから…。
帰らなきゃ。
「悠介…。」
「ん?どした?」
「私、ボーリング行けない。なんか家で問題が発生したらしいんだよね。本当ごめん!」
「俺は大丈夫だけど、さち、大丈夫?早く帰んないとまずくね?」
「そうなの。だから私帰るね。」
「途中まで送るから乗ってけ。」
「え…。」
「いいから!早くいくぞ!」
「ありがとう…。」
悠介の優しさに甘えて、途中まで送ってもらった。
これでもう悠介とは最後なのかな、とか考えていたら泣けた。
悠介にバレたくなくて降ろしてもらっても、振り向かないでバイバイした。
ありがとうって叫んで走った。
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