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彼女達の後ろ姿を見ながら私はにやけた。
彼と話すネタが出来たのだ。
私も、我ながら図太い方だと思う。
私は、さっそく彼に話しかけた。
「宮原君、モテるんだね!今、宮原君のファンに囲まれたよ。」
「なんで?今のがそう?」
彼は、見ていたようで、苦笑いしてみせた。
「あんまり、ベタベタするなってさ」
「まじで!?で、なんて言ったの?」
「特になにも」
「そうなんだ」
「でも、宮原君にあんまり話しかけてると私いじめにあっちゃうかもね、あははっ」
「あいつらには、関係ないだろ」
「そう?」
何かを期待させる発言に胸をときめかせながら、彼を見つめていた。
私は真剣に恋をしていた。
そして、放課後の私の小さな楽しみは、部活の時のマラソン。
嫌なマラソンもサッカー部の脇を走るとなれば、別である。
彼を見ながら楽しいマラソンタイムなのだ。
視線は彼に…。
心の中で、こっちを向け~って、祈り続ける。
まあ、こちらを向いたことはほとんどない。
それでも楽しいのが青春だったのだろう。
彼の行動に一喜一憂し、毎日、ドキドキハラハラしているのだ。
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