第二章 ~ 異世界からの来訪者 ~

9/38
前へ
/799ページ
次へ
視界はそんなに通らない。 或斗を含め皆こんなに深い霧を見るのは初めてなのだ。 「いつも?  いえいえ、普段は霧などありません。 太陽と核が入れ替わる時間帯だけ霧が覆い尽くすのでございますぞ。」 「太陽と…核の入れ替わり?」 或斗は不思議そうにつぶやいた。 「皆さんも人に着替えを見られたくはないでしょう?  同じことでございますぞ。」 「はぁ?」 キャットの言葉の意図していることがわからない。 思わず間の抜けた声をこぼす或斗。 「おや?  わかりませんか?  太陽と核が入れ替わる時のことですぞ? みな着替えをするとき他人に見られるのは恥ずかしいではないですかな?」 当たり前と言う顔をして、説明をするキャット。 しかし4人はお互い顔を見合わせて…。 「『核』ってなんですか?  それに入れ替わるのに恥ずかしいって誰がですか?」   途智が代表して質問をする。
/799ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加